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するものメタルアルバムレビュー #16

今回はANGUS McSIXのAnd The Sword Powerを紹介。

 

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解雇という形でGloryhammerを脱退し、実は法律事務所だったかを経営する事でも通の間では話題になったトーマス・ウィンクラーのソロアルバム。

 

メンバーにはFROZEN CROWNでギターをやっていたタリア・ベラゼッカ、かつてRhapsodyに在籍していたドラマーのマヌー・ロッター、ORDEN ORGANのセバスチャン・リヴァーマンがベースを務めるという布陣で、Gloryhammer同様バンドメンバーがアルバム内で展開されるストーリーの登場人物を演じている。ソングライターは敵役になってるセバスチャン・リヴァーマンなのかなあ。Gloryhammer本体よりもコスプレは個性的にはなってます。女性おるのもあるけど。

 

アルバムを見てみると、#1と#2はGloryhammerにもありがちなクサメロ楽曲といった具合。#3はキャッチーでこれはメタルなのか?と言いたくなるくらいポップな楽曲。

 

#4はベラゼッカが演じる人物について描かれた曲…のはず。これもあまりメタルサウンドの強い主張は感じられない。#5もデジタルなサウンドが際立つ楽曲。#6はしばらくぶりのかっこいいギターサウンドが際立つ楽曲。疾走感はないが。敵側の登場人物のセリフが入るけど、声はあっちの敵役ザーゴスラックスにそっくり。流石にここまでGloryhammer側に寄せる必要はあるんだろうか。

 

#7はイントロ曲。それに続いて始まる#8もまたキャッチーなパワーメタル楽曲。#9はデジタルなサウンドとギターサウンドが交互に流れてサビで合わさる王道展開な楽曲。#10は個人的にはようやくそれっぽいと思える楽曲。この楽曲が1番Gloryhammerに近い路線の楽曲なんじゃないかな。アルバムのラストを飾る#11は大作かと思いきやそうでもなく、3分半あまりの短い楽曲。歌詞までは読み込めてないのでよく分からないけど、次作へ続く!みたいな感じの終わり方っぽい。

 

比較対象はやはりGloryhammerになるのだろうが、Gloryhammerを更にメタルに馴染みのない一般人に向けて、ヘヴィなサウンドを抜き更に分かりやすくしたようなアルバム、というのが1番の印象。ただ流石に作曲能力は正直クリストファー・ボウズの不在感を感じる。まああくまでトーマス・ウィンクラーのソロアルバムとみなすならそれでいいのかなあ、という気持ちはあるけど。

 

正直なところ本家のGloryhammerと比べたら作曲能力的なところは劣り、ボーカル面では勝ってるというある種予想された通りの感じになっている。Gloryhammerのファーストアルバムのように、もう少し歌い方にレパートリー持たせてもいいと思ったけど。上手いかどうかは別としてオペラティックなファビオ・リオーネ意識した歌い方もしていたし。

 

通向けにはトーマス・ウィンクラーのちょっと癖になるあの歌声が好きな人、もしくはGloryhammerが好きという人パワーメタル好きにはおすすめ出来るかと。それなりに不満点を述べてはいるが、Gloryhammerの延長線上にある音楽ではあるので個人的な満足度は言うほど低くはない。初心者向けかどうかという話だが、初心者向けではあると思うけど個人的にはGloryhammerから聴いた方がいいような気がする。こういうプロジェクトとか系はそのジャンルのトップランナーを聴いてからの方がいい気がするので。

 

個人的初心者おすすめ度 85点

個人的通向けおすすめ度 88点

個人的満足度 83点

 

あとがき

遅れること数ヶ月後にGloryhammerもアルバムを発売する模様。なお新ボーカルはトーマス・ウィンクラーに似た、あるいは似せた歌い方をしている。似た声のボーカルに変えるくらいならもっと個性あるボーカルにした方が良かった気がする。Twilight Forceみたいな感じで。