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あの頃を思い出す旅 #1 導入編

 

旅に出たいなあ。

 

そう思い立ったのが数日前。色々あって心が荒んでいたのもあって、1人で何処かにふらっと出かけたい気分になったのだ。

 

とはいえ、こう見えても一応は責任ある会社勤めの社会人である。長期の休みは取れないし、あんまり無責任に遠くへは行けない。日帰りか、もしくは仕事終わりから動いて1日休みを使って移動する…というのが手段として取りうる選択肢であった。

 

そして自分は自他ともに認める鉄道ファンであり、そのため旅も鉄道を利用することがほとんどである。移動そのものから楽しめるのだから、お得であると自分でも思っている。

 

話題は自分の話に逸れたが、旅にはそれなりの目的が無くてはならない。ただ鉄道を乗るという目的だけでは物足りないし飽きる。そもそも1日やそこらで乗って行けるような路線は既に長年の積み重ねもありある程度乗り尽くしている。

 

それではどうしようか、と考える。旅に出る目的を探すという、ここに行きたいからと旅を計画する大多数の人からすれば本末転倒に思える状態であるが、割と本人は至って真面目である。

 

数日間考えていたところにとある駅のポスターでこんなものを見かけた。「スーパートレインスタンプラリー 〜平成を駆け抜けたすごいヤツ〜」と題されたスタンプラリーが開催されているという。そういえばこんなの地元の駅にもあったな……と考えつつ、冷静に考えて気付いた。

 

これ、自分の世代にぶっ刺さる企画じゃないかと。

 

ポスターに描かれているのは、JR東日本が平成初期に世に送り出した・または走っていた鉄道車両たち。もちろん、平成8年生まれの自分にとって幼少期に鉄道のビデオや乗り物100点では必ずと言っていいほど紹介され、それこそテープがちぎれるまで見ていた車両達だ。これはやるしかない。

 

そしてせっかくならば。色々な路線に乗りつつ中学時代からあちこち乗った思い出を掘り起こす旅にするのも良さそうだ、と判断。ここでようやく目的が決まったのだった。

 

ようやくここでどのように旅をするか、という話になる。そもそも自分はそれほど仕事に余裕が無いので何日かをかけてこのスタンプラリーをやるのは現実的ではない。それならば1日2日前後で回りまくる方が良いという話になる。何がなんでもという訳ではないが、遠方を回る事は考えたい。

そしてお金は有限である。なるべく安く済ませるなら休日おでかけパスを利用出来る週末に動くのがお得と考え、土日での実施を行うことに決定する。つまり土曜日の仕事終わりに動き始めることになるので、仕事が終わり近場のJRの駅である渋谷駅に降り立つのが17時半頃と考えて計画を練る必要がある。

 

スタンプ設置駅の一覧を見るに、短期間で回る際にネックになるのは小田原、熊谷、古河、小山、龍ヶ崎市、土浦といった末端区間の駅である。他ははっきり言ってどうとでもなる。まずはこの遠方の各駅に行く事になるだろう、と考えた。

 

そして調べてみると、18時ちょうど発の小田急ホームウェイ号箱根湯本駅に乗り、そこから小田原→熊谷→大宮→古河→小山へと動く事は日付が変わってしまうが可能である、と判明した。

 

1日目の動きはこれで決まりとなる。そして2日目は始発で上野へ南下、常磐線に乗り換えて土浦まで北上、土浦から引き返して龍ヶ崎市、柏と拾った後に金町、新松戸、吉川美南と動き、武蔵浦和、大宮、浦和を拾い赤羽、東十条、尾久、日暮里を拾い、両国、津田沼、成田、蘇我新習志野、東京と拾う。その後山手線の対象各駅を拾い、天空橋、ウォーターズ竹芝、京浜東北根岸線線各駅を拾い川崎へ戻り、南武線各駅を拾った後に分倍河原京王線乗車、新宿から中央線を拾い高尾、橋本を拾って神奈川の最寄り駅に帰るというルートを設定した。

2日目は正直間に合うかどうか怪しいのだが、京浜東北線の辺りまで消化出来れば後は後日仕事終わりにでも回収出来るのでそれで良いし、タイミングが合えば上野土浦間は特急に乗っても良い。ルート選定としてはこれがベストだと考えた。

 

さて、今度は自分自身の話である。

 

幼い頃から鉄道の本を読み、鉄道にめちゃくちゃ詳しい子として育った自分だったが、鉄道趣味を始めたのは中学生時代……2009年頃と比較的最近の話だ。現在も付き合いのある友人と知りあった際に鉄道好きである事から熱が再燃した、という状況である。

 

自分が中学生時代を過ごした2009年〜2011年前後は鉄道界にとっても過渡期と呼べる時代であったかもしれない。2009年には東京発のブルートレインは全廃となり、ブルートレインと言えば上野発の列車のみとなっていた。また、国鉄型の通勤型201系、近郊型の211系が最後の活躍を見せており、JR初期の通勤型の代表格、209系も京浜東北線で最後の活躍を見せていた。国鉄型とJR初期型の車両、そして当時最新型であるE233系などの車両が入り乱れて走り回る、鉄道趣味者にとっては面白い時代であったことは間違いない。

 

そんな時代の思い出を振り返りつつ、今回の忙しない旅を楽しむことにしたい。