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するものメタルアルバムレビュー #11

 

今回はドイツにかつて存在したメタルバンド、Heavens GateのLivin' in Hysteriaを紹介。

 

曲順とメンバーはこんな感じ。

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バンドの説明をすると、プロデューサーとしての方が有名だと思われるサシャ・ピートがギタリストとして所属していたバンド。サシャ・ピートの名前を知らなくても、多少メタルに詳しい人ならば手がけたバンドがRhapsodyやEpica、EDGUYなどと言ったパワーメタル、シンフォニックメタル辺りの有名どころをプロデュースしていた、と言えば何となくの凄さは分かるか。

バンド自体はこの頃ヒットしていたHELLOWEENに続くジャーマンメタルをプレイするバンドで、当時日本で巻き起こっていたジャーマンメタルブームに乗っかり人気を博したバンドである。その人気が出たきっかけとなるのが本アルバム、Livin' in Hysteriaとなる訳だ。

 

#1からサビは盛り上がる事間違いない1曲を持ち込み、疾走感とは違うものの、しっかりテンポが早く楽しめる#2と出だしから楽しく聴ける。

 

#3は変わってミドルテンポの曲になり、#4はまたアップテンポな曲、#5のテクニカルなギターサウンドが楽しめるインスト曲と続き、#6は再度ミドルテンポながら熱いボーカルの熱唱が楽しめる楽曲と非常に緩急が効いている曲順となっている。

 

#7はここに来てここまでで1番速いと思われるファストチューン。#8は先程の疾走感とは打って変わってバラードに。この曲のギターソロは非常に個人的な好みを突いている。#9はどこかこれまでとは違う雰囲気が楽しめる。

 

そしてラストに待つのがこのバンドの名前をほぼ冠していると言っても良い#10。はっきり言ってこの楽曲だけで85点は付けたくなるような名曲で、バンドどころか1980年代後半のジャーマンメタルシーンを見ても際立つ傑作。当時のHELLOWEENよりも先進的な、後のメロディックスピードメタルをやっているというのもポイントは高い。

 

ある程度バンド音楽を聴いてる人なら何となく察するところではあるが、このアルバムはボーカルは癖があるし音はそれほど音質も良くない。正直そういう意味では初心者向けではないし、あえてネタバレをするなら次の作品は期待外れと言われてしまうようなこの後のバンドの動きであるのだが、少なくともこのアルバムに関して言えばバラエティにも富んだ作品である事は間違いない。

ネットも全くないような時代に、ドイツの少なくともメインストリームにいたという訳では無いバンドが、日本のコアなメタルファンに受けて来日公演まで実現した、日本のジャーマンメタルブームの立役者の1バンドとして君臨していたという事実がこのアルバムにはある。そういう意味でメタル愛好家にも聴いて欲しいアルバムの1枚。

 

個人的初心者おすすめ度 76点

個人的通向けおすすめ度 85点

個人的満足度 89点