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ベイスターズ2023年の個人的統括・今後の展望

また、悔しい結果になってしまった。今年は期待感も高かっただけになおのことである。2023年のベイスターズは高まる期待感とは逆に、3位でレギュラーシーズンを終え、その後のクライマックスシリーズもファーストステージを連敗という形で終えた。

 

期待感だけでなく、個々の選手が残した実績も大したものだった。球団としては21世紀で初となる最多勝に勝率1位を獲得した東、打点王を獲得した牧、シーズン序盤の超人的な打撃もあり首位打者になった宮崎。これらの他にも好成績を残した選手は多く、決して弱かった訳ではない。

 

では何故ベイスターズはこの程度の成績に終わってしまったのだろうか。個人的に考えを述べて見る事にする。

 

編成

2023年シーズンに向けてのベイスターズの補強は力の入ったものだった。リリーフとしてウェンデルケン、サブの外国人野手としてアンバギー、そして何よりサイ・ヤング賞投手バウアーを獲得した事で今年のベイスターズを優勝候補として見る向きも多かった。ドラフトでも将来性豊かな高卒選手と即戦力となれる大卒社会人のバランス良い指名であり、期待感があった。

だが、蓋を開けてみれば戦力はスカスカだった。オースティンは結局ほとんど戦力として計算出来なかった。これに関してはもう球団側としてはどうにも出来ない案件ではあるのだが。

とはいえ、ドラフトにおいて即戦力として期待されていた投手も一軍で投げることが出来なかった。特にここドラフト2位以下の大卒社会人投手が一切一軍の戦力となれていないことは今後にも大きく響きかねない状況である。平田が後に貴重な戦力となったように彼らが戦力にならないと決まった訳では無いが、少なくとも現時点においてドラフトそのものの戦略を見直した方が良い状態ではある。

野手についても課題は多い。若手の突き上げは少なく、若手と言える選手で活躍しているのら牧くらい。高卒で考えれば5年目6年目くらいで頭角を現す選手が出てくるのが理想だが、そういった例は少ない。外国人野手が不作という状態が続く昨今の状況を考えると、野手の育成能力というのはこれまで以上に重要な要素となっているため、ドラフトで逸材を確保してしっかり育て上げる体制を整えて欲しいと思う。

 

采配

今年何かと話題に上がった采配。個人的にも相当思うところはあったし、ファンにとっても疑問に思うような采配は数多くあったと言わざるを得ない。

攻撃面で見ればシーズン最終戦の最終回の攻撃。ノーアウト一塁の状況でバントし、相手投手が処理に手間取りノーアウト一塁二塁とチャンス。相手は完封勝利、そして何より1点差を守りきれば2桁勝利のかかる場面。ここで下したバントという決断は個人的にかなり疑問に思えるシチュエーションだった。

こんな感じで今年の首脳陣の采配には疑問符のつくものが多かった。そもそも、ヘッドコーチを据えずにチーフコーチ2人とチーフ作戦担当という布陣は果たして適切だったのか気になるところではある。また、今年は嶺井が離脱し若い山本がマスクを被る事も増えたため、相川コーチはバッテリーコーチとしての負担も相当あったことは容易に想像出来る。誰が悪いとかそういう話ではなく、必要な時に適切な決断を下せるコーチ人事では無かったのではないか、と個人的には見て取れた。三浦監督はシーズン終了後選手に謝るという記事も結構見かける辺り相当気配り等はしているはずで、その監督の決断を助ける体制を整えてあげて欲しいと思う。

 

投手

投手陣であるが、先発は例年になく駒が揃っていた。最多勝の東、安定してローテを回っていた今永、そして時には中4で投げたサイ・ヤング賞投手バウアー。彼ら3人の戦力は間違いなく球界屈指のものであった。しかし昨年の2位躍進の立役者であった濱口と大貫はそれぞれ別の理由があれど安定せず、石田もそれほど長いイニングを投げられず印象も良くなかった。来年今永、バウアー、石田が抜ける可能性はそれなりに高く、シーズン序盤はローテを守っていたガゼルマンも退団の可能性が高いことを考えると最悪の場合彼らが投げた450イニング以上の投球回が宙に浮く事も考えられ、フロントがどれだけこの宙に浮く投球回数を減らせるか、彼らの腕の見せ所になりそうである。とはいえ、個人的には今永はMLBに行く意思があるのならば送り出したいし、バウアーもMLBに復帰出来るのならばして欲しい思いもあるので複雑なのだが...

リリーフ陣も苦しんだ投手が多かった。ここまでブルペンを支えてきたエスコバーと山﨑康晃は期待された働きは出来ず、伊勢も昨年より成績を落とし、難病から驚異の回復力で復帰した三嶋もコンディション調整には苦しむなど例年通りの計算は立てられない状況となった。そんな中で新戦力として加入したウェンデルケンや代役クローザーを務めた森原、元々高いポテンシャルを持ち後は何時開花するかという状態だった石川、回跨ぎもこなした上茶谷など明るいニュースもあった。まずはこれまでの戦力として活躍を見せた選手の奮起に期待し、今年台頭した選手が今年の勢いそのままに投げてくれればそれほど心配する必要は内容に感じる。

 

野手

野手もタイトル獲得した牧や宮崎がおり、決してリーグの中で低い戦力だった訳では無い。

捕手に目を向ければ山本が打撃覚醒。来年1年を通してこの成績がまた維持出来れば不動の正捕手になれるところまで来た。また、前半戦は戸柱や伊藤光といったベテラン勢の活躍もあった。

内野手は牧や宮崎の活躍はさることながら、シーズンを通して徐々に評価を高めていった林の存在も大きかった。また、成績は落として言ったものの、かつてのロペスを彷彿とさせるような守備力とリーダーシップでチームを盛り立てたソトの存在も大きい。今年限りでの退団が噂されてはいるが、成績以上に大きい存在であった事は言うまでもない。

外野に目を向けると、今年は苦戦した選手が多い印象だった。佐野は不調で最終的に有鉤骨の怪我で離脱。来年以降にも不安が残る内容となったが、不調の中でもリーグ4位の安打を稼いでるのは流石と言える。シーズン序盤は好調も後半戦はあまり打てなかった関根だが、休ませると打っていた事から一軍のレギュラーでシーズンを戦い抜く経験から来るようなものに感じる。来年は打率3割に期待したい。安定した守備でチームに貢献した桑原も本来はもっと打てる選手。巻き返しに期待したい。また、若手の突き上げもそろそろ期待したい。活躍もあったがミスも多かった楠本や蝦名、そろそろ覚醒して欲しい梶原などの奮起に期待したいところ。

 

まとめ

全体を通して考えると、チームの課題というのは明確に見えており、それが中長期的なものであるにしろ短期的にどうにかなるものにしろ、改善は出来るものだと感じる。シーズンが終わり、コーチ人事の刷新も始まっている。補強も行われるだろうが、まずは自前で戦力を育てあげる体制とノウハウ、そしてそれでも足りないところを外からの移籍選手で補う体制を整え、本当にファンが横浜優勝と叫べる瞬間を、またそれ以上にかつての暗黒時代を笑い飛ばせるような常勝球団となれるようになって欲しいとファンの1人として切に願い、またそれを応援していきたいと思う。